source: 映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評
3/14から中国映画「唐山大地震」が公開されています。今回は、映画レビューではなく、感想という形で映画を紹介します。(点数、度、などは割愛します)
この作品をマスコミ試写で見たのは4年前。公開直前に、まずニュージーランドで大地震が起こりました。日本人留学生の方々の犠牲もあったこの時は、映画は、復興の希望を描くというテーマを強調しながら、表現に配慮しつつ公開される予定だったのですが、その後起こったのは、ニュージーランドの災害を遥かに上回る規模の東日本大震災。
この作品をマスコミ試写で見たのは4年前。公開直前に、まずニュージーランドで大地震が起こりました。日本人留学生の方々の犠牲もあったこの時は、映画は、復興の希望を描くというテーマを強調しながら、表現に配慮しつつ公開される予定だったのですが、その後起こったのは、ニュージーランドの災害を遥かに上回る規模の東日本大震災。
2011年3月26日公開予定でしたが、地震、津波、原発事故と、過去に例がないほどの未曾有の大災害の前で、この映画の内容はあまりにもショッキング。ついに公開が中止(無期延期)になった経緯があった作品なのです。
映画の内容は、1976年に起こった、死者・負傷者併せて40万人以上という大災害を描くもの。大地震の描写のすさまじさと共に、引き裂かれた家族のドラマが感動を呼び、海外でも評価されていました。
お蔵入りになってしまう映画は数えきれないほどありますが、このように生々しいものは滅多にないでしょう。唐山大地震は、映画では2008年に起こった四川大地震へとつながり、復興への道と、癒えない心の傷、それでも生きていく力強さなど、多くのことを教えてくれます。
東日本大震災に関しては、復興は未だ道半ばという感じです。本作の公開規模は決して大きくはないのですが、きっと何かの指針にはなるはず。何より、喪失感を抱えながら生きてきた家族の再生のドラマとして見ごたえがあります。
(原題「唐山大地震/AFTERSHOCK」)
・唐山大地震@ぴあ映画生活