source: 映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評
いつかトップ女優になることを夢見ながらも伸び悩んでいる若手女優・沙羅は、新作舞台のオーディションで端役ながら役を手に入れる。美しさを保つため若い女性の生き血を浴びていた実在の女貴族を描いたその舞台では、主演をめぐって若手女優たちが激しく対立していた。そんな中、舞台で使われる球体関節人形が劇場に持ち込まれたのを機に、次々に不可解な事件が起こりはじめる…。
ホラーの巨匠こと中田秀夫監督の新作「劇場霊」は、中田監督自身による伝説的ホラー映画「女優霊」の姉妹編ともいえる作品。閉塞的かつ非日常的な空間である劇場を舞台に、惨劇に巻き込まれる若手女優の恐怖を描いていく。主役の座をめぐってのドロドロの女の闘いは、どこか時代錯誤で陳腐だし、劇場内で続出する恐ろしい出来事の原因である人形を巡る謎も何だか納得できない。物語は雑な印象だが、塩対応で有名なAKB48の島崎遥香は、なかなか頑張っている。恐怖におびえながらも真相に近づき、クライマックスでみせる“火事場のバカ力”的な奮闘に、ぱるるファンなら思わず胸が熱くなるはず。新たな“絶叫クイーン”の誕生かもしれない。「女優霊」に比べて、さっぱり怖くないのは残念だが、人形のビジュアルや劇場空間の美術など、映像はなかなかスタイリッシュでよくできていた。ところで、この映画、「劇場霊」といういう題名より、むしろ「人形霊」の方がよくないか?(あ、韓国映画で同名の作品があったような…。失礼しました)
ホラーの巨匠こと中田秀夫監督の新作「劇場霊」は、中田監督自身による伝説的ホラー映画「女優霊」の姉妹編ともいえる作品。閉塞的かつ非日常的な空間である劇場を舞台に、惨劇に巻き込まれる若手女優の恐怖を描いていく。主役の座をめぐってのドロドロの女の闘いは、どこか時代錯誤で陳腐だし、劇場内で続出する恐ろしい出来事の原因である人形を巡る謎も何だか納得できない。物語は雑な印象だが、塩対応で有名なAKB48の島崎遥香は、なかなか頑張っている。恐怖におびえながらも真相に近づき、クライマックスでみせる“火事場のバカ力”的な奮闘に、ぱるるファンなら思わず胸が熱くなるはず。新たな“絶叫クイーン”の誕生かもしれない。「女優霊」に比べて、さっぱり怖くないのは残念だが、人形のビジュアルや劇場空間の美術など、映像はなかなかスタイリッシュでよくできていた。ところで、この映画、「劇場霊」といういう題名より、むしろ「人形霊」の方がよくないか?(あ、韓国映画で同名の作品があったような…。失礼しました)
【50点】
(原題「劇場霊」)
(日本/中田秀夫監督/島崎遥香、足立梨花、高田里穂、他)