2016年1月26日火曜日

メモリーズ 追憶の剣

source: 映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評




高麗王朝末期、ユベク、ウォルソ、プンチョンの3人の剣士は最強の3本の剣を手に、世を変えるべく反乱を起こす。ユベク、ウォルソは愛し合う恋人同士だった。だが権力に目がくらんだユベクの裏切りによって反乱は失敗する。ウォルソは、命を落としたプンチョンの子を連れて姿を消した。18年後、大きな権力を手にしたユベクは、自ら主催した武術大会でウォルソにそっくりな剣さばきの少女を見つけ、彼女の後を追う。やがてばらばらになった3本の剣が再び揃い、全ての真実が明かされる…。

高麗末期を舞台に、愛と復讐に翻弄される4人の男女を描く歴史アクション「メモリーズ 追憶の剣」。国際的に活躍するイ・ビョンホン、チョン・ドヨンに加え、人気グループ2PMのジュノらが共演する華麗な歴史ものだ。ユベクの恋人でその後姿をくらましたウォルソの行動がひねりすぎなので、自分からコトを複雑にしている気がしないでもない。実はウォルソには秘密があるのだが、自ら剣を持って戦うほうが納得できる。だが仲間であるプンチョンの死に責任を感じている彼女は、自らを罰するかのように、より過酷な運命を選び取ったのだろう。このあたり、韓国文化によく登場する恨(ハン)なのだろうか。恨(ハン)という言葉の本質は、深すぎてわかりにくいが、恨むという感情だけでなく、そこには無念さや悲哀、無常観もあるという。ウォルソの行動は、自分に対する恨(ハン)なのかもしれない。ラストのユベクとウォルソの運命は、究極の愛だ。韓国映画のソード・アクションは、本物の武術家が演じることが多い中国映画のそれに比べて、見劣りがするのだが、本作のアクションは、舞踏から生まれたアクション演出だそうで、なかなか見応えがある。盲目となったウォルソを演じるチョン・ドヨンは、演技力に加え、剣さばきや茶を入れる所作の美しさが際立っていた。
【55点】
(原題「Memories of the Sword」)
(韓国/パク・フンシク監督/イ・ビョンホン、チョン・ドヨン、キム・ゴウン、ジュノ、他)
(映像美度:★★★★☆)
チケットぴあ

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