2016年2月21日日曜日

探偵なふたり

source: 映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評




人並み外れた洞察力と推理力を持つマンガ喫茶の店長カン・デマンは、家では嫁に頭が上がらない恐妻家。仕事をサボって警察署に顔を出しては、捜査に干渉するのが趣味なので、広域捜査隊から左遷されたハミダシ刑事ノ・テスとは犬猿の仲だ。そんなある日、デマンの友人の刑事がアパートで起きた殺人事件の容疑者として逮捕される事件が発生。デマンとテスはこの事件に隠された陰謀を察知しコンビを組んで事件を捜査するが…。

コメディタッチの推理ミステリー「探偵なふたり」は、水と油の二人がイヤイヤながら手を組み、事件を解決していくという典型的なバディ・ムービーだ。甘いマスクにモムチャン(鍛え上げられた美しい体つきのこと)が売りで、切ないラブストーリーやアクション映画のイメージが強いクォン・サンウが、本作ではトホホな役柄に挑戦し、新境地を開いている。国内最大級の未解決殺人事件サイトを運営し、プロファイリング同好会の会長を務め、超がつく推理オタク。一方で、家では嫁に怒られてばかりの恐妻家、子どものおむつを替えながら警察さえ解決できない危険な事件に立ち向かうイクメンという、今までにない役どころだ。ミステリーなので詳細は明かさないが、警察という組織の中からはみだしている刑事と、より自由な発想で動く素人探偵というコンビは面白い。冴えないルックスのデマンは、実はシャーロック・ホームズ級の推理力と洞察力を持つという設定だが、未解決事件のデータとミステリー小説を精読しているため、犯罪者の心理を読み解くのが得意だ。そのため、常に犯人の思考の一歩先を読んで動く。だからこそ事件に隠された陰謀に気づいていくのだ。それにしてもクォン・サンウも年を重ねたせいか、いつまでも肉体美だけでは無理があるので、路線変更を余儀なくされているようだ。サンウに代わってアクションを一手に引き受けているソン・ドンイル(サンウより10歳近く年上!)の頑張りが涙ぐましい。そしてラスト、シリーズ化(続編)をにらんでいるのか?ファンに期待させる終わり方だった。
【50点】
(原題「探偵:TheBeginning」)
(韓国/キム・ジョンフン監督/クォン・サンウ、ソン・ドンイル、ソ・ヨンヒ、他)
(コミカル度:★★★★☆)
チケットぴあ

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