source: 映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評
2016年 第88回アカデミー賞が、日本時間の2/29に決定しました。主要部門の受賞結果は以下。
作品賞:「スポットライト 世紀のスクープ」
監督賞:アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ(「レヴェナント 蘇えりし者」)
主演男優賞:レオナルド・ディカプリオ(「レヴェナント 蘇えりし者」)
主演女優賞:ブリー・ラーソン(「ルーム」)
助演男優賞:マーク・ライランス(「ブリッジ・オブ・スパイ」)
助演女優賞:アリシア・ビカンダー(「リリーのすべて」)
外国語映画賞:「サウルの息子」(ハンガリー)
長編アニメーション賞:「インサイド・ヘッド」
衣装デザイン賞:ジェニー・ビーバン「マッドマックス 怒りのデス・ロード」
作品賞は、今年は8作品がノミネート。そんな中、最優秀作品賞を受賞したのは、「スポットライト 世紀のスクープ」。オスカー好みの実話の映画化で、神父による性的虐待とカトリック教会の隠ぺいを、新聞記者たちが暴いていくという社会派ドラマ。ジャーナリスト魂という言葉を感じさせる力作です。
監督賞のアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥは、去年の「バードマン」に続いて2年連続の受賞。まさにあぶらがのりきった絶頂期です。ちなみに「レヴェナント 蘇えりし者」で撮影を担当した名カメラマンのエマニエル・ルベツキにいたっては3年連続の受賞。メキシコ勢、ノッてます!
主要な演技部門は、去年に引き続き、見事に4作品に分かれて受賞。ここはなんといってもレオナルド・ディカプリオ悲願の受賞につきるでしょう(笑)。レオ様、おめでと~の声が各地から聞こえてますが、「レヴェナント」のレオは本当に素晴らしい。鬼気迫る…っていうか、完全に別世界にいっちゃった感じです、いろんな意味で(笑)。とにかくずっとオスカーに嫌われていたので、きちんとした作品できちんと受賞してくれて、ホッとしました~。
日本関係では、長編アニメーション賞に「思い出のマーニー」がノミネートされましたが、残念ながら受賞はなりませんでした。受賞したのは「インサイド・ヘッド」。やっぱりディズニー強し!ですね~。私としてはひそかに「ひつじのショーン」を応援してたんだけどな~ (;^_^A
今回のアカデミー賞の特徴は、これまた、去年と同じで、圧倒的に強い作品はなく、演技部門に代表されるように、受賞作品が分かれたこと。全体的に地味な印象は否めません。むしろ話題は、映画そのものではなく、白人ばかりがノミネートされたことへのさまざまな反応でした。
白人偏重のオスカー、ボイコット問題というニュースもあり、授賞式、どうなることかと思ったんですが、ともあれ、無事に終わってよかったです。人種差別問題については、イニャリトゥ監督もスピーチで述べていましたね。しっかり取り組んでもらいたいですが、本当に良い作品、素晴らしい仕事をした映画人を選ぶという点は、ブレないでほしいものです。それから最多受賞は、なんと「マッドマックス 怒りのデス・ロード」の6部門。演技部門ではなく技術・ヴィジュアル系中心ですが、とりあえず大好きな作品なので、喜ばしい!
アカデミー賞は映画界最大の祭典。
作品はこれから順次日本でも公開されます。楽しみに待ちましょう!