source: KUBRICK.blog.jp|スタンリー・キューブリック
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「英語じゃないのよ、映画よ。最初からそれしかない。映画が好きだから英語を勉強したわけで、英語そのものが好きな人間ではないのです。ボーナスで英語を勉強したっていうだけ。映画がすべての始まりでした」
映画字幕翻訳者の戸田奈津子さん(80)の名前を、洋画のエンドロールで一度は見たことがあるのではないだろうか。
『E.T.』『タイタニック』『ジュラシック・ワールド』など、これまで1500本超える作品の翻訳を手掛けてきた戸田さん。
字幕翻訳の夢が叶うまで20年も掛かったにもかかわらず、あきらめなかったのはなぜか。誤訳批判について思うこととは。BuzzFeed Newsは40年間、字幕翻訳の第一線で活躍している戸田奈津子さんに話を聞いた。
〈以下略〉
(全文はリンク先へ:BuzzFeed/2016年1月4日)
よくもまあぬけぬけと、といった内容のインタビューですが、以下のコメントには『LotR』ファンはブチ切れ必至でしょうね。
「抗議をした方々は、数十年前の本の翻訳を聖書と思っているわけ。数十年前の翻訳ですよ?日々変わる言葉が、その間にどれだけ変化するか。今の観客が違和感を抱かない字幕にするのが当然じゃないでしょうか」
批判の趣旨を理解できずに言っているのか、それとも自分のミスを認めたくないのでしらばっくれているのか・・・そのどちらかはこのコメントからは読み取れませんが、個人的には批判をかわすためにあえてミスリードしている印象を受けます。つまり「誤訳してしまったミスに対する批判をかわすため、問題をすり替えている」ということです。しかしこのコメント、原作の翻訳者が聞いたらなんて言うんでしょう?「あなたの翻訳は時代遅れなので、私が現代に即した翻訳に直しました」って、原作ファンや原作翻訳者に喧嘩売っているんでしょうか?
キューブリック作品絡みでは『フルメタル…』で一度戸田が翻訳したが「元のセリフの猥雑さが出ていない」とNGになり、原田眞人氏に変更になったという顛末が有名です。また、『アイズ…』では劇場公開版は戸田でしたが、DVDではレオン・ヴィタリの監修の元、佐藤恵子氏が翻訳を担当しています。
キューブリックは翻訳に関して、
忘れられない例がある。ドイツで『八月十五夜の茶屋(The Teahouse of the August Moon)』(1956年、ダニエル・マン監督)を見たときのことだ。マーロン・ブランドがいう幕切れの台詞が「Pain makes man think, wisdom makes life endurable(痛みは人を思考に導き、英知によって人生は耐えられるものとなる)」というのだが、この「endurable」を「glucklich」と訳してあった。これでは「耐えられるものになる」が「幸せなものになる」と全然違った意味になってしまう。一つのストーリーの最後を締め括る大切な台詞なのに。これは余程注意しないといけない。翻訳台詞の端々までおろそかに扱ってはいけない。そう決心した。
(イメージフォーラム1988年6月号/キューブリックのロングインタビューより)
と、至極真っ当で、当たり前のことを語っています。
このまとめにある数々の事例では、戸田の誤訳の尻拭いは他の翻訳者が担当させられているようです。間違いの修正をその当事者に当たらせないのは、その当人は信頼されていない証左だと考えられます。この事実だけでも戸田の無能っぷりがわかるというものですが、プライドが高い(だけ)のご当人は決して認めることはないでしょうね。