2018年7月15日日曜日

【関連記事】スターゲート・シークエンスに登場予定だった「グリッド異星人」の撮影など『2001年宇宙の旅』制作に参加した少年、ブルース・ローガンの活躍とその後

source: KUBRICK.blog.jp|スタンリー・キューブリック


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丸々とした少年時代のブルース・ローガンとゾラン。初期のスリットスキャンのテスト中で、キューブリックはスターゲート・シークエンスで人型の「グリッド異星人」を登場させようと考えていたことが伺える。



 1965年、イギリス・ボアハムウッドでキューブリックが映画を作っていることを知った19歳のブルースは、当初6ヶ月の契約でダグラス・とランブルの下で働くためにキューブリックに雇われました。しかし、それは2年半も続くことになるとは、その時のブルースは想像だにしませんでした。

 ブルースはキューブリックがスターゲート・シークエンスで登場させるつもりだった「グリッド異星人」の撮影を担当しましたが、これは使われませんでした。ブルースが撮影を担当し、使用されたシークエンスはタイトル・シークエンスです。タイトルは7ヶ国語のバージョンが用意され、その全ての撮影を担当したそうです。また、宇宙船のコクピットに表示されるアニメーションの撮影も担当したそうです。

ブルース・ローガンが撮影を担当したタイトルシークエンス。

 他にも朝、遅刻してばかりだった話や、病気をして欠勤したのに、キューブリックに救急車を手配されて無理やり出社させられた話、給料は2倍になったが、仕事量も2倍になった話、そんな目に遭いながらも一旦は解雇され、また雇い入れられた話などのエピソードが語られています。また、掲載されているメモにはキューブリックとスタッフ(コリン・キャントウェル、ダグラス・トランブル、ブルース・ローガン)の間に軋轢があり、木星の撮影を放棄し逃げ出した旨が記載されています。『2001年…』の撮影はとても過酷で、スタッフが逃げ出すのは日常茶飯事だったようですが、さすがに特撮担当の主要メンバーが抜けるのはキューブリックにとっては受け入れ難かったのでしょう。

 このブルース・ローガンはその後も映画・映像業界で活躍し、『スター・ウォーズ』『スター・トレック』『トロン』『縮みゆく女』などの撮影や特殊撮影を担当、企業のコマーシャルフィルムやプリンス、マドンナ、ロッド・スチュワート、エアロスミスなどの有名アーティストのMV制作も担当したそうです。

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Bruce Logan(IMDb)

(詳細はリンク先へ:ZACUTO:Working with Stanley Kubrick on 2001: A Space Odyssey
/2016年2月)