source: KUBRICK.blog.jp|スタンリー・キューブリック
『2001年宇宙の旅』
BSプレミアム 11月5日(月)午後1時00分~3時21分
備考:英語/字幕スーパー/カラー/レターボックス・サイズ
『2010年』
BSプレミアム 11月6日(火)午後1時00分~2時57分
備考:英語/字幕スーパー/カラー/レターボックス・サイズ
(引用元:NHK BSシネマ)
NHKも『2001年』イヤーに乗っかって『2010年』とセットにしてきました。この『2010年』に関しては大昔にこちらでレビューした通りなんですが、この『2010年』は「クラークの小説版『2001年宇宙の旅』の目的地を土星から木星に変更した、続編小説の映画化」という位置付けで、決して「キューブリックの映画版『2001年宇宙の旅』の続編ではない」んですね。言ってみれば、2020年に公開が予定されている小説『シャイニング』の続編『ドクター・スリープ』の映画化と同じなんですが、『シャイニング』の小説版・映画版の違いに比べて、『2001年…』は小説版・映画版の違いが比較的少ないので、かえって混乱を招いている気がします。
どうしてキューブリックの映画版『2001年宇宙の旅』の続編ではないのかというと、映画版『2001年宇宙の旅』の続編はキューブリックしか作れないからです。ご存知の通り、キューブリック作品はどれも(良くも悪くも。笑)「キューブリックにしか撮りようがない」ものばかりです。ですので、世界観や映像美などがあまりにも違いすぎているこの映画版『2010年』を、映画版『2001年宇宙の旅』の続編と呼ぶことに抵抗を感じ続けています。監督のピーター・ハイアムズが「キューブリックと同じことをしたら、致命的な失敗を犯すことになる」と発言しているのも、その点を意識してのことでしょう(もちろん「自分の個性で映画を撮るんだ」という自負も)。
管理人は「アーティスト」と「職人」の違いは「他者互換が効く存在であるか否か」だと思っています。映画監督には「アーティスト」と「職人」の両方の要素がありますが、キューブリックは極端に「アーティスト成分が多い」んですね。反対にハイアムズは「職人成分が多い」と思っています。ですので、アーティスト成分が多い監督が撮った作品の続編を、職人成分が多い監督が撮ってもそれは続編だとは言えないし、そもそも監督自身がそう思っていないのだから、映画の続編ではないということです。まとめると、『2010年』は「前作映画の小説版(映画版ではない)の続編小説の映画化」と理解するのが一番実像に近いのではないか、と考えています。それを踏まえての管理人の評価は「割と楽しめる」「まあ及第点」といったところですね。
とはいえ広報的(集客的)に、もしくは便宜的に「続編」と呼んでいることは理解していますし、これを原理主義的に他者に強要しているわけではありません。あくまで私的な感覚のお話です。何卒ご理解ください。
2001年宇宙の旅 [Blu-ray](amazon)
2010年 [WB COLLECTION][AmazonDVDコレクション] [Blu-ray]