2020年2月26日水曜日

【関連動画】日本のTV番組でOAされた、アーサー・C・クラークのドキュメンタリーの動画

source: KUBRICK.blog.jp|スタンリー・キューブリック




 「HALには2001年にはともかく、2101年には会えると思いますよ」アーサー・C・クラーク

 動画のタイトルは『アーサー・C・クラーク 宇宙を語る』ですが、本当の番組のタイトルは少し違います(お察しください。汗)。動画の長さは2時間半ありますが、実際は1時間半です。1995年のお正月に公共放送の衛星チャンネルでオンエアされたドキュメンタリー番組です。

 本棚には自著の日本語版があったり、例の「パートナー」と知り合った経緯も告白していますが、とにかくクラークの語りは饒舌で楽しい。『2001年…』の映像もふんだんにあり、キューブリックファンも大満足のドキュメンタリーです。

 現在、キューブリックは地球外知的生命体を映像化することに最後まで固執していたことがわかっていますが、キューブリックの逝去前は「キューブリックが宗教的に映画版を、クラークが科学的に小説版を制作した」というのはファンの共通認識でした。しかし、よく考えてみるとキューブリックもクラークも無神論者です。キューブリックの言う「科学的に定義された神」という説明も、結局は地球外知的生命体を映像化できなかったための、いわば「後付け論」でしかなく、キューブリックは「それまで見たこともない異星人を説得力ある姿で映像化する」という野心に取り憑かれていました。それとは逆にクラークは「仄めかす程度でいい」と考えていた(キューブリックの執着ぶりを揶揄するような発言も)のです。結局これは「映画と小説の描き方の違い」でしかなく、人類と宇宙のありようについては二人の認識にほとんど違いはなかった、というのが事実のようです。

 このドキュメンタリーから4年後にキューブリックが、10年後にはクラークがこの世を去りました。キューブリックは知っての通りのマスコミ嫌いでしたが、クラークは日本のマスコミにもよく登場しています。このドキュメンタリーもそのうちの一つですので、時間のあるときにでも是非ご覧ください。

 ところで、34分あたりでクラークの予言した「一部のおかしな国」とはどの国なんでしょうかね?