2015年10月4日日曜日

バクマン。

source: 映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評


映画バクマン。 小畑健イラストワークス (愛蔵版コミックス)
(ショートバージョン)
天才的な画力を持ちながら将来の展望もなく毎日を過ごしていた高校生の真城最高(サイコー)は、同級生で漫画の原作者を目指す秀才・高木秋人(シュージン)に「漫画家になろう!」と誘われる。最初はとまどっていたサイコーだが、ひそかに憧れていたクラスメイトの亜豆美保への恋心をきっかけに、プロの漫画家を目指すことに。コンビを組んだ2人は週刊少年ジャンプ連載を目標に日々奮闘するが、彼らの前に、同じく高校生で天才漫画家の新妻エイジがたちはだかる…。

「デスノート」の原作者として知られる大場つぐみと小畑健のコンビが手がけた人気コミックを実写映画化した「バクマン。」は、週刊少年ジャンプでの連載を目指す漫画家志望の高校生たちの奮闘を描く物語だ。仕事、恋、友情、ライバルと、サイコーとシュージンが、悩みながら成長していくのは直球の青春映画。同時に、漫画家という特殊な職業のハウツーとしても面白くできている。「モテキ」の大根仁監督らしく、膨大な情報をテンポ良く描くのはさすがだが、キャラクターの内面の掘り下げが少々甘いのは、ちょっと気になる。サイコーの背景は、クドカン演じる叔父さんのエピソードでしっかりと伝わってくるが、シュージンに関してはほとんど描写がないのは残念。一方で、10年に一度の天才漫画家を演じる染谷将太の抜群の存在感には唸った。ブラック企業並に過酷な漫画家の生活と、そんな中でも持ち続ける漫画への情熱、そして漫画家同士のライバル関係と友情。ジャンプのキャッチフレーズ「友情・努力・勝利」という気恥ずかしくなるような言葉が、見終われば素直に納得できてしまうから不思議だ。トキワ荘とはまた別のまんが文化がここにある。実在の漫画作品や出版社が実名で登場するのも楽しいし、劇中使用される漫画の原稿を小畑自身が描いているのはファンにはお宝だろう。
【65点】
(原題「バクマン。」)
(日本/大根仁監督/佐藤健、神木隆之介、小松菜奈、他)
(直球青春映画度:★★★★☆)
チケットぴあ

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バクマン。@ぴあ映画生活