source: 映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評
4世代11人の一族が集まるクリスマス・イブの日。シャーロットは、家族が勢ぞろいする晩餐会を最高のものにすると決めていた。実は彼女は夫のサムとの離婚が決まっており、一家そろっての団らんはこれが最後になる。晩餐会が終わるまで離婚のことは伏せておくつもりだった。ところが秘密を抱えていたのは彼女だけではなかった。娘エレノアは不倫中、息子ハンクは失業、シャーロットの妹エマにいたっては、万引きで逮捕される。始まる前から波乱含みの晩餐会だが、次第にそれぞれの嘘が明るみに出て…。
豪華キャストによるアンサンブル群像劇「クーパー家の晩餐会」は、誰もが幸福に包まれるクリスマス・イブが舞台。キャッチコピーには「どうかデザートまで嘘がバレませんように…」とあるが、嘘というより秘密という方がしっくりくる。物語の中心にいるのは、ダイアン・キートン演じる母親のシャーロットで、彼女は何事にも完璧なため、娘や妹から煙たがられているという設定だ。物語は、それぞれが隠していた秘密が明るみに出たことで、本音と本音でぶつかりあうという、お決まりの展開になる。クリスマスという素晴らしい舞台設定ではあるが、本作はエピソードが散漫な上に感情移入できないキャラが多い。群像劇の名作「ラブ・アクチュアリー」のような洒落た余韻も感じない。ハッピーエンドへとなだれ込むのは予想がつくが、なじみのウェイトレスとの友情を育んでいた祖父が病で倒れた後の病院での大騒ぎは、強引すぎて、体温が下がってしまった。文句ばかり並べたが、見所もある。まず冬景色の美しさ、食卓に並ぶ料理の魅力、ジョン・グッドマンやアラン・アーキンら、ミュージシャンでもある俳優たちのおかげで音楽もいい感じだ。そして、語り部を務めるクーパー家の愛犬ラグス。人間たちのすったもんだを半ばあきれながらみつめている。ちなみにこのラグスを演じる俳優犬ボルトは日本生まれだそう。この“名優”に親近感を感じてしまい、点が甘くなってしまった。
豪華キャストによるアンサンブル群像劇「クーパー家の晩餐会」は、誰もが幸福に包まれるクリスマス・イブが舞台。キャッチコピーには「どうかデザートまで嘘がバレませんように…」とあるが、嘘というより秘密という方がしっくりくる。物語の中心にいるのは、ダイアン・キートン演じる母親のシャーロットで、彼女は何事にも完璧なため、娘や妹から煙たがられているという設定だ。物語は、それぞれが隠していた秘密が明るみに出たことで、本音と本音でぶつかりあうという、お決まりの展開になる。クリスマスという素晴らしい舞台設定ではあるが、本作はエピソードが散漫な上に感情移入できないキャラが多い。群像劇の名作「ラブ・アクチュアリー」のような洒落た余韻も感じない。ハッピーエンドへとなだれ込むのは予想がつくが、なじみのウェイトレスとの友情を育んでいた祖父が病で倒れた後の病院での大騒ぎは、強引すぎて、体温が下がってしまった。文句ばかり並べたが、見所もある。まず冬景色の美しさ、食卓に並ぶ料理の魅力、ジョン・グッドマンやアラン・アーキンら、ミュージシャンでもある俳優たちのおかげで音楽もいい感じだ。そして、語り部を務めるクーパー家の愛犬ラグス。人間たちのすったもんだを半ばあきれながらみつめている。ちなみにこのラグスを演じる俳優犬ボルトは日本生まれだそう。この“名優”に親近感を感じてしまい、点が甘くなってしまった。
【50点】
(原題「LOVE THE COOPERS」)
(アメリカ/ジェシー・ネルソン監督/ダイアン・キートン、ジョン・グッドマン、アマンダ・セイフライド、他)